承継コラム vol.8

「利益と経営者のあり方」


企業は、活動の業績目標の一つとして「利益」があります。「利益」は企業活動成果の共通尺度として欠かせない数値であり、また「利益率」も事業活動の効率を評価するうえで重要な指標です。計画値との比較、前年度との比較、業界平均値との比較などによって経営成績の是非が分かります。「利益」は経営者はじめその企業に携わる人々の努力成果であり、顧客などから認めてくれた社会評価ともいえます。

 

松下幸之助さんは、「事業の使命を遂行し、社会に貢献した報酬として社会から与えられたものが適正な利益」であるとして、「利益」というのは企業の使命達成に対する報酬と考えたのです。また同氏は、「その企業が供給する物資なりサービスの中に含まれているそうした努力、奉仕が多ければ多いほど、需要者や、社会に対する貢献の度合いも大きく、したがってまたその報酬としての利益も多いというのが原則」(「実践経営哲学」PHP研究所)と考え、信念をもって経営されました。

 

社会から支持されて、適正な給料を支払い、適正な利益を上げ、適正な税金を納め、適正な配当をし、適正な内部蓄積をして企業存続を図っていくことが、企業に求められる社会的責任といってよいでしょう。「赤字」ということは、経営者の経営に対する考え方が基になり、社会から支持されなかったか、無駄な使い方で収益に貢献しない支出があったかなどといったことが原因で生じるもので、何年も続けば経営者失格の烙印を押されても仕方ありません。「赤字」は社会にお役立ちにならなかったか、あるいは経営能力がなかったか、努力しなかったかの証明であり、社会的に罪悪と言えましょう。

 

決算書(財務諸表)は、企業活動の結果を映す鏡のようなものです。決算書をよく視て、経営状態の歪みや不十分な箇所をチェックし、経営者自身が経営に対する姿勢の「あり方」や経営手法の「やり方」を確認するとよいでしょう。鏡(かがみ)の中の字「が」を取れば、「かみ」(神)になります。執着している「我」を取って、純粋な神の眼で自社の決算書を確認し、ビジョナリーの望ましい数値を創造していきたいものです。


以上
創新事業承継プロジェクトチーム 代表 公認会計士・税理士 高良 明

主催 : ㈱創新  事務局: ㈱とんがりコラボ TEL: 03-6843-0070 FAX : 03-6843-0069 E-mail : info@toncolla.com