承継コラム vol.18

「一念邁進」


リーダーたる者は、組織集団の人々を幸せにする責務と使命があります。古来より人々が求めてきたことは人間の幸せです。組織集団を率いるリーダーたる者は、すべての人が求める「幸せ」を実現しなければなりません。しかし一概に「幸せ」といっても、人によって解釈は十人十色、千差万別ですが、人々が共通して求める幸せ感は、健康、愛情、富、自己実現(自己表現)などといったことにあるようです。これに企業組織のリーダーたる経営者はいかに対処するか、これが経営者に求められる命題です。

しかしこれらは組織のリーダーのみが考える事柄ではなく、組織全員が自ら求め、自ら創り出していかなければならない課題です。イギリスの作家で医師でもあったサミュエル・スマイルズの「自助論」にある「天は自ら助くる者を助く」の自助・自立の精神がなければ、自らの幸福を創造しうることはできません。リーダーとフォロワー、経営者と社員が一念の思いがピッタリ合ったとき、組織の願いが叶えるものと信じます。

かつての米国大統領であったジョン・F・ケネディが、日本人記者から「あなたが最も尊敬する日本人は誰ですか」と質問された時、即座に「ウエスギヨウザン(上杉鷹山)」と答えたと言います。鷹山は、九州の日向(宮崎県)高鍋の秋月という3万石の小大名の家に生まれましたが、幼くして名門上杉謙信の流れをくむ米沢藩上杉家の養子に入り藩主となって、米沢藩の窮乏を救った名経営者といえる大名です。鷹山は一念、これまでの悪習、①制度の壁②物理的壁③意識の壁を打ち破り、藩の財政改革を徹底して行い見事立て直しました。その目的としたところは、「愛と信頼」の徳の政治(仁政)による領民を富ませること、すなわち幸せにありました。

鷹山の藩改革の成功要因は、目的を明確にし、仁政を施しながら藩主と藩士、領民が一体となって進めた結果です。鷹山は、「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」という名言を残しています。事をなすには、明鏡止水にして真の目的や志、かつ使命を心に誓い、社員一同一念邁進していくことが大切と心得ます。
新しい年の幕開けですが、一年の願い、一念の志を抱いて結束し、日々自助・自立の精神をもって一歩一歩着実に邁進していきたいものです。 


以上
創新事業承継プロジェクトチーム 代表 公認会計士・税理士 高良 明

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