承継コラム vol.24

「知行合一(ちこうごういつ)」

 

「知は行の始め、行はこれ知の成るなり」(伝収録)、これは陽明学(王陽明)の有名な言葉で、「知ることは行うことの始まりであり、行うことは知ることの完成である」という意味です。知ることはすでに行うことを予定しており、行うことはすでに知っていることを前提として成り立つものだ、と王陽明は説いています。「知行合一」のテーゼとして有名な言葉です。

世の中には、行動の伴わない評論家が多く、また行動が言っていることと異なる言行不一致の例が実に多いものです。言行不一致、知行不一致の常習犯は無責任といってよく、過日の前都知事の辞任劇にまつわる振る舞いは人間失格の烙印を押されても仕方ありません。反対に「言行一致」「知行合一」の人は、言ったことに信念があり、責任ある行動が伴い、信頼・信用抜群の人徳者といえます。知ることと行うこととは、本来一つでなければ信頼関係は築かれず、知と行は分裂してはならないのです。

「知行合一」ならしむべく人間形成の指針として、陽明学は次の四つを挙げています。
1、「立志(りっし)」:志を立てること。人生においても経営においても、向かうべきビジョンや夢を掲げ、目標を設定し、それに強い意志をもって歩んでいくことが大切です。
2、「勤学(きんがく)」:学問に勤めること。志を立てたならば、関係する学問に勤めなければ基盤ができません。確かな基盤なくして成功はありません。
3、「改過(かいか)」:過ちを改めること。「過ちては則ち改むるに憚(はばか)ることなかれ」(論語)といわれるように、犯した過ちを素直に改めることが賢者の賢者たるゆえんです。
4.「責(せき)善(ぜん)」:善を責むこと。「積善の家には必ず余慶あり」(易経)とあるように、善事を積み重ねていくことが人間形成の基本となります。

以上の事柄を基本に努力精進すれば、人間本来のあり方が習得され、必然的に「知行合一」の人徳が身につくものと考えます。「知」は単なる知識の意味でなく、人間本来のあり方の「知」と理解しなければなりません。知識の豊富を自慢する輩がおりますが、低俗の感ぬぐえません。どうか「人生・経営」の本質を探究し、「知行合一」の精神で人生・経営を統治していきましょう。 

以上
創新事業承継プロジェクトチーム 代表 公認会計士・税理士 高良 明

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