承継コラム vol.25

「企業の魅力」

 

「魅力」とは、人の心をひきつけて夢中にさせる不思議な力といわれます。磁石は鉄を引き付けます。何も見えないけれど、不思議な力が自然に鉄をひきつけるのです。その不思議な力いわゆる「魅力」とは何でしょうか?

まず「物の魅力」は何でしょうか?例えばダイヤモンドについて言えば、光沢輝きがあり、天然で最も硬い物質として、最も高い美的価値や経済価値や使用価値(利用価値)、希少価値があると言われます。ダイヤモンドはギリシャ語の征服しえない、屈しないという言葉に由来するそうで、何物にも屈しない強固な価値という力が働いて人を引き付けるわけです。物はそれぞれの性質に応じて効用価値が存在します。 それでは「人の魅力」は何でしょうか?「人望」のある人と言ってもよいかもしれません。国語辞典には「世間の多くの人々がその人に寄せる尊敬、信頼、また期待の心」とありますが、要するに人間力の高い人です。人間力は、家で言う「間口の広さ」と「奥行きの深さ」です。「間口の広さ」とは何事かを成し遂げる見識や能力の豊かさであり、「奥行きの深さ」とは誠実、情熱があり、忍耐強く謙虚、寛容にして思いやり、奉仕の心ある人(仁)徳のある人、すなわち人格者です。一言で人望、人間力、仁徳、人格のある人と言えるでしょう。

では「企業の魅力」は何でしょうか?企業倫理や雇用を守って社員を幸せに導くといった社会性の伴った「道徳的・倫理的価値」がある企業、社会のニーズに応えて顧客や社会に奉仕して黒字存続を図る「経済的価値」のある企業は魅力があると言えます。 甲府にある株式会社吉字屋さんは、武田信玄公の戦国時代から約450年続いている老舗です。450年間という長きにわたって、塩や油など生活物資を販売しており、「儲かる商売には手を出すな」のスローガンにて、地域社会に密着して奉仕の精神で商売をされてきました。まさに魅力のある老舗企業です。

存続の「存」は存在価値の存であり、「続」は継続の続であります。企業の存続の条件には、目的・理念・使命感重視の経営、顧客や社員重視の経営、社会への奉仕の経営、財務の堅実な経営などが挙げられますが、要は倫理的価値と経済価値を一致させている企業であります。二宮金次郎(尊徳)は、「道徳なき経済は犯罪である、経済なき道徳は寝言である」と言いました。渋沢栄一も「論語と算盤」「道徳、経済合一説」を説き、これを信条として日本資本主義の幕開けに奔走しましたが、道徳と経済が一致した経営を志している企業には真に魅力があると言えます。 

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創新事業承継プロジェクトチーム 代表 公認会計士・税理士 高良 明

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