承継コラム vol.36

論語と経営(4)

 

『仁者(じんしゃ)は己(おのれ)立たたんと欲して人を立て、己達せんと欲して人を達す』
(現代訳:いったい仁者は人と己とを同体とみるもので、己が立とうと思えば、同時に人を立たせようと思い、己が達しようと思えば、同時に人を達しさせようと思うものである)

人間には出世欲というものがあり、世に出て成功したい、有名になりたい、金持ちになりたい等と言った欲望があるのが常です。成功するのも、有名になるのも、金持ちになるのも、皆人あってのことです。人は皆欲(出世欲)を持つものでありますから、自分一人がと思うと、「俺が、俺が・・」と互いに争いとなり社会は乱れてしまいます。歴史的に見ても、戦争は大なり小なりこのように欲と欲、我と我とのぶつかり合いになっているものです。人間が欲の動物である限り、ある意味仕方ないのかもしれませんが・・。

会社組織の人間の中には、事業や仕事の成功は自分のはたらきによるもの、失敗は他人の責任として、自分の立場を利用して成功と失敗をうまく使い分け、上司に媚びへつらう者がいます。ビジネスの世界では、このような事は頻繁に行われているようですが、組織の秩序や人間関係に乱れが生じるのは必然です。遠く仁者に及ぶものではありません。「成功は他者に、失敗は自分に」という謙虚にして自分が源泉の心がもてないものでしょうか?たとえ成功の原因や働きが自分にあるとしても、他者の協力があってはじめて物事が成り立つわけで、他者を尊重し立てることが大切です。そうすればきっと他者も恩義を感じ、更に協力は惜しまないでしょうし、必ずや自分も成り立つことになるでしょう。

道元禅師は、人生幸福への道として、四つの知恵を我々に授けています。


① 布施(ふせ)(欲ばらず貪(むさぼ)らない)
② 愛語(あいご)(思いやりのある優しい言葉)
③ 利(り)行(ぎょう)(相手に利益となる行為、利他)
④ 同事(どうじ)(相手の気持ちになる)


我々は、これらの知恵を常に抱いて、何事も自分だけよければと考えずに、すべては相手や他の多くの人によって自分が成り立っていることを思い、自分以外の他の人の存在価値を忘れないよう気を付けたいものです。 


以上
創新事業承継プロジェクトチーム 代表 公認会計士・税理士 高良 明

主催 : ㈱創新  事務局: ㈱とんがりコラボ TEL: 03-6843-0070 FAX : 03-6843-0069 E-mail : info@toncolla.com