承継いろは vol.1
リーマンショック以来、わが国の経済は、まだまだ厳しい状況が続いてはいるものの、ようやく明るい兆しが見えてきたと言っていいでしょう。しかしながら中小企業経営者の皆さんは、次の大きな問題、つまり「事業承継」に立ち向かわなければなりません。
「事業承継」とは、簡単に言うと、経営者の高齢化による交代、つまり、後継者への経営の引継ぎを意味しますが、これがどうして大きな問題か、というと、中小企業にとって経営者がどのような存在か、ということを考えていただければわかると思います。

まず、経営者は、会社を強力にリードする、言わば「カリスマ」的存在だということです。営業、技術開発、リーダーシップ、あるいは取引先や金融機関との関係など、経営者の個人的な力量や信用がなければ会社経営が立ち行かない、言い換えれば、会社経営が経営者の個人的な力量や信用に支えられている、ということなのです。このような「カリスマ」である経営者が引退した場合、後継者にこのような力量や信用がなければ会社の存続自体危うくなることは言うまでもありません。また、経営者をサポートする幹部社員も高齢化によって交代していくことを忘れてはなりません。

第2に、経営者はオーナーでもある、ということです。中小企業の場合、会社の株式を初めとして、事業に用いる建物、土地など、その大多数が経営者個人の資産であるため、経営者が後継者に交代する際、これらの株式や事業用の不動産などを誰が引き継ぐか、が問題となります。この中で特に重要なのは株式です。中小企業では、迅速かつ強力な意思決定を行うため、経営者の経営権が安定していることが重要ですが、上述のとおり、経営者の個人資産である株式が相続などによって分散し、後継者の持ち株比率が低下するとその経営権は不安定なものとなる恐れがあります。

このように、中小企業の「事業承継」では、次の経営者である後継者、あるいは幹部社員の育成、だけでなく、後継者の経営権の安定のために株式や事業用資産の引継ぎ対策も必要不可欠ですが、これらは一朝一夕にできるものではなく一定程度の期間(少なくとも10年)は必要です。また、「事業承継」は、経営、法律、会計、税務等の広範な分野にまたがる問題であり、これを経営者や後継者がご自身だけで対処していくのはおよそ不可能で、各分野の専門家の助力が不可欠です。
そこで、円滑に「事業承継」を行ない、承継後も安定した会社経営を続けて行くためには、①事業承継対策を早めに開始すること、②事業承継対策を行うにあたっては、多方面にわたって、知識や経験の豊富な専門家のアドバイスを受けること、をお勧めします。
以上
創新事業承継プロジェクトチーム 弁護士 吉岡 毅

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