承継いろは vol.2
会社の寿命は30年と言われていたことがありました。
はっきりした根拠はなかったのでしょうが、もしかしたら会社の組織は、そのときの市場の状況や産業の動向等の外部環境や会社の人員構成等の内部環境に合ったものであるべきですが、30年もすると外部環境や内部環境も変化してしまっていることも多く、組織が制度疲労を起こしてしまっているということからそのように言われていたのかもしれません。

ラリー・E・グレイナーの組織発展モデルによれば、組織発展の第一段階として組織はまず「創造性による成長期」を迎えます。これは経営者のリーダーシップによって市場や顧客を開拓して成長していくというものです。しかし、会社が一定規模になると経営者のリーダーシップだけでは成長の限界にぶつかります。そのとき、第二段階の「指揮による成長期」を迎えるために必要となるのが、経営者を組織運営において支えるマネージャーです。さらには第三段階として「委譲による成長期」、すなわちマネージャー自身が成長することにより権限をさらに末端まで委譲することができるようになり、さらなる発展を迎えることとなります。この段階までくると末端まで経営者のコントロールが及ぶように組織を整備しなければならなくなります。 綿密な事業承継計画を立て、それを実行しなければならない会社というのは、かなりの年数を経過しているため、組織の発展段階としては、グレイナーの言う第3段階まで来ていることが多いかと思います。
であるならば、事業承継で考えるべきことは、トップが交代をし、自社株を後継者に譲渡するということだけではなく、後継者にあった組織へと、組織そのものを変革するということも考慮にいれなければなりません。
そして、組織の変革はボトムアップ方式では難しく、トップダウン方式で行わなければうまくいきませんので、組織変革は事業承継が行われる前に現経営者の手によって行うことが重要となってきます。

では、事業承継計画を作成する際の手順は一般的にはどのようなものになるのでしょうか。
まず、定性的分析や定量的分析により経営の現状把握を行います。次に、会社の現状から将来のあるべき姿である経営ビジョンを探求し、それを後継者や全社員に浸透させると同時に、そのビジョンを実現するための戦略を策定します。それらを踏まえたうえで、はじめて経営承継計画を策定することができるようになります。

万能な組織などありません。経営者は、様々な変化に対応し、その時々の環境に対応したあるべき組織はどのようなものかを絶えず考え続け、組織を変化させなければなりません。
代表者の交代という事業承継は、まさに今までの組織のあり方を検証し、組織変革を行う絶好の機会でもあるのです。
以上
創新事業承継プロジェクトチーム 司法書士 山中 康継

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