承継いろは vol.12
醤油で有名なキッコーマン㈱は、食品事業を中心とする大会社で、平成23年3月期の連結売上高2834億円、経常利益167億円を計上しています。同社は、創業一族の高梨家(創業1661年醤油醸造)、茂木家(創業1662年味噌醸造)並びに堀切家(創業1788年)から構成され、1917年(大正6年)高梨家、茂木家六家及び堀切家の八家が合同団結して野田醤油㈱を設立し、1964年(昭和39年)「キッコーマン醤油株式会社」(現「キッコーマン株式会社」)に社名変更しました。

「亀は万歳の仙齢を有する」という故事から、亀甲にちなんで「萬」の字を入れて「亀甲萬」とし、1940年(昭和15年)全国的にキッコーマン(亀甲萬)という商標に統一されました。この「亀甲萬」は元来、分家茂木佐平次家の商標で、同家では「甲羅を堅牢にし、四方に手足を張り、しかも、右顧左眄 (うこさべん) して間断なく注意を払い」を遵守してきたものです。

茂木家では、暖簾分けして分家をつくり、茂木家グループの拡大を図ったのです。一族の醸造家は、独自ブランドを積極的に開発し商品の差別化を図りつつも、本家への恩義は強く、このためグループの絆、結束はとても強いものでありました。初代啓三郎が一門と相談して制定した家訓があり、これを遵守して存続を図り、1926年(大正15年)には、聖徳太子の「十七条の憲法」を模したと思われる家憲を制定しています。

その第一条に「一門須らく 和を以って貴しと為す可し 互いに敬信して争うこと無く 事業の隆昌と家運の長久とを期す可し」とあり、一族の結束を図り、また第四条には「徳は本なり 財は末なり 本末を誤ること勿れ」として商業道徳の大切さを教えております。家憲の中に、同じ理念で結ばれた同族一門の強さの一旦がうかがえます。
以上
創新事業承継プロジェクトチーム 代表 公認会計士・税理士 高良 明

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