承継いろは vol.22
「取引相場のない株式の評価」

事業承継を進める上で難問はいくつもありますが、
その中でも難解とされ敬遠されがちな課題の一つに株式の評価があります。
上場株式は市場価格があり、その時価から評価額が算定されるため比較的簡単に算定できます。
一方、取引相場のない(非上場)株式は市場価格がないことから、
評価するためには何らかの評価基準を必要とします。
国税庁が定める財産評価基本通達ではこのような取引相場のない株式の評価についての規定が
記載され、評価基準として位置づけられています。
事業承継が問題となるのはほとんどのケ-スが中小企業ですので、当然ながら取引相場のない株式の評価が必須となります。
したがってとても重要な課題であることは言うまでもありません。

取引相場のない株式の評価方法(相続税法)は、
株主の態様(同族株主等がいるか、同族株主に該当するか等)や
発行会社の規模(大会社、中会社、小会社)を基準として区分され、
その区分ごとに異なる方法が規定されています。その基本的な評価方法は下記のとおりです。

(1)純資産価額方式:評価会社の純資産価額を評価の基礎として求める方法です。
< 1株当り純資産価額=[純資産価額(相続税評価額)-(評価差額×42%)]/発行済株式数 >
※ 平成24年税制改正により法人税等の税率合計に相当する割合が45%から42%に変更されました。

(2)類似業種比準方式:上場している類似業種の会社の株価から批准して算定します。
< 類似業種比準価額=類似業種の株価×[b/B+(c×3)/C+d/D]×1/5×E >
b:評価会社の1株当たりの配当金額 B:類似業種の1株当たりの配当金額
c:評価会社の1株当たりの利益金額 C:類似業種の1株当たりの利益金額
d:評価会社の1株当たりの純資産簿価 D:類似業種の1株当たりの純資産簿価
E:会社の規模に応じた割合[0.5 ~ 0.7]

(3)配当還元価額方式:配当還元方式により評価する方法です。
< 配当還元価額=[年配当金額/10%]×[1株当たりの資本金の額/50円] >
また、上記のほか一般の評価会社とは異なり、
土地または有価証券等の特定の資産の保有割合が高い会社や通常の営業状態とは異なる会社等は、
「特定の評価会社」として特別に規定が設けられており、
その会社規模区分の別に関わらず原則として「純資産価額方式」により評価することになります。

以上が取引相場のない株式評価の概要ですが、評価の基準が複雑なためどうしても分かりにくい課題です。
しかしながら事業承継の根幹を担う要因ですので、
いつでも株式の異動を速やかに行えるよう、評価の概要と現在の評価額を常に把握しておくことが重要です。
以上
創新事業承継プロジェクトチーム RMCA-J 認定上級リスクコンサルタント 夘木信寿

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