承継いろは vol.26

遺留分


遺留分とは相続人に保障された相続分であり、相続財産全体の2分の1とされています。

そもそも、遺留分という制度は明治時代の民法においては、家督相続制度における家督相続人の最低限の取り分を保障して、「家」の財産を保全するという機能を持っていました。

それでは現在において遺留分という制度はなぜあるのでしょうか。一般的には相続人の生活の保障のためといわれています。これは夫婦、親子の間には相互に生活保持義務や扶養義務などがあり、その延長として亡くなった方の財産によって相続人の生活を保障すべきとする考えに基づきます。


私有財産制のもとでは、自分の財産をどのように処分するかは自分自身で決められるのが原則ですが、遺留分という制度はこの原則の例外としての意味を持っています。

つまり、いくら遺言で決めていても、遺留分を侵害する内容のものであれば、亡くなったあとに内容を修正させられてしまう可能性があるということです。


相続人の遺留分を確保するためには、被相続人が亡くなったときの財産だけを対象にしたのでは、亡くなる前に処分をされてしまうと遺留分制度が骨抜きにされてしまいますので、生前の贈与も遺留分の対象財産となっています。

遺留分の対象となる財産は以下の通りです。

①相続開始前1年以内の贈与

②遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与

③相続人に対する一定の贈与(特別受益)

このように相続開始前1年以内になされた贈与は無条件で遺留分の対象財産となります。また、特別受益といって1年より前の贈与でも遺留分を侵害することを知って行った贈与や相続人に対して婚姻や、生計の資本としてなされた贈与も遺留分の対象財産となってしまいます。ちなみに生計の資本としてなされた贈与の代表的なものは、住宅取得資金や事業資金などがあります。


遺留分の請求をされてしまいますと、このように対象財産を特定したりしなければならず、話し合いがうまくいかない場合、裁判所によって解決しなければならなくなってしまいます。

そうならないよう、遺言を書くときは遺留分に十分配慮することをお勧めいたします。


以上
創新事業承継プロジェクトチーム 司法書士 山中 康継

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