承継いろは vol.34

「事業用資産と個人資産の分離 」

 

中小・零細企業の多くは、経営者個人の財産と事業用資産が混然一体となっていて、経営者個人の相続でもめてしまった場合、すぐさま経営に影響を与えてしまうというリスクを抱えています。

そこで、考えられる対策として、まず紛争そのものの発生可能性をなるべく下げるということがあげられます。

その方法はケースバイケースで人さまざまですが、ひとつの方法として遺言を書いておくということが考えられます。

ただし、ただ遺言を書いておけばいいというものではなく、その内容はできるだけ偏りが少なく、なおかつ相続人の遺留分を侵害しないような内容で書いておくべきです。

なぜなら、ある相続人の遺留分を侵害し、遺留分減殺請求をされてしまうと、その解決に時間がかかってしまい、結局経営に影響を与えてしまうおそれがあるためです。

それとは別に、前記の対策を行ったが、結局争いを未然に防ぐことができなかったときでも経営に影響を与えない対策として、「会社分割」や「株式移転」を利用して会社を資産保有会社と事業運営会社に分割するという方法が考えられます。

経営者は資産保有会社の株式を持ち、もし相続が発生した場合、資産保有会社の株式のみ相続することになり、結果事業運営会社の株式は影響を受けないため、相続の影響を最小限に抑えることができるようになるというものです。

「会社分割」とは、二つ以上の会社が一つの会社になるという「合併」とは逆に、一つの会社を二つ以上の独立した会社に分割するものです。

ちなみに、この「会社分割」を活用すると、自社株を複数の相続人が相続した場合に会社を二つに分割し、それぞれの相続人が単独所有する会社を別々にもつ形にすることも可能です。

「株式移転」とはすでにある会社を子会社とし、別にその子会社の親会社にあたる会社を設立し、ホールディングカンパニーにするという手法です。

いずれにしましても、どのような制度を利用するかは、それぞれの制度のメリット・デメリットをしっかりと確認したうえで決定すべきですので、ぜひ専門家に相談しながら進めていくことをお勧めいたします。

以上
創新事業承継プロジェクトチーム 司法書士 山中 康継

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