承継いろは vol.36

「企業経営と企業承継を考える」

 

日本の企業の約9割が中小業で構成されているという現状は、頻繁に統計データでも取り上げられており、ご存じの方も多いことと思います。AIJ投資顧問による年金消失問題に端を発する厚生年金基金の厳しい財政状況ひとつをとっても、社会保障分野における高齢化問題は深刻な社会問題となっています。日本の65歳以上の高齢者人口は、約60年前(1950年)には総人口の5%にも満たなかったのですが、その20年後(1970年)には7%を超え、そしてその後20年をかけて14%に達し2010年には22.5%、そして2020年には国民の4人に1人が65歳以上の高齢者という超高齢化社会への道を日本は急速にそして着実に歩んでいます。そして高齢化の進展は同時に労働力人口の減少も意味します。高齢化問題は、医療や年金などの社会保障分野にとどまらず、今や中小企業経営においても重い経営課題となっているのです。最近10年間の企業規模別就業者の推移をとらえると、従業員規模が100人以上ではほぼ横ばいであるのに対し、10人未満の企業ではその数が減少傾向にあり、また高齢者の割合が高まっている傾向にあります。すなわち、労働力人口の減少そして高齢化の影響を大きく受けているのは中小零細企業なのです。そして高齢化の進んだ企業内部では、次世代への技能・知識の伝達・承継が困難になることが予想されます。特に中小規模企業においては、技能・知識の承継がスムーズに行われないということは、事業の存続自体に直接的な影響を及ぼすおそれがあり、技能承継問題は高齢化社会における中小企業存続の重要課題なのです。
中小企業に限らず、企業経営においては経営資源をいかに有効に活用するかがポイントとなります。「ヒト・モノ・カネ」その中でも特に、「ヒト」の育成・承継は一朝一夕に解決できる課題ではありません。また事業承継時の現経営者の年齢が若ければ若いほど、承継後の企業業績が好転する割合が高いことが中小企業庁のアンケート調査でも明らかとなっています。(参考資料:「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」2012年11月㈱野村総合研究所」
企業承継そして企業存続には、早め早めの対応が必要であると言えそうです。

以上

創新事業承継プロジェクトチーム 社会保険労務士 小泉 薫

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