承継いろは vol.52

「自社株の承継対策」

 

株式会社の事業承継を考える時、自社株の承継が非常に重要で、また難しい問題であると言えます。


株式には、二つの側面があります。
一つは、株主総会で議決権を行使するということに代表される会社経営への参画を目的とする権利としての側面です。
もう一つは、株主個人の財産としての側面です。
通常二つ目に挙げた側面は、株式を譲渡する場合や、株主に相続が起こって株式が相続により承継される場合の相続税の計算をするといったことがなければ、あまり意識されないものです。
しかし、上場企業の株式と違って株式市場等で売却できないにもかかわらず、つまり市場価値がなく換価性がないにもかかわらず、相続税の評価としての株価は高額となるということがよく起こります。
この場合、相続税が高額になったり、生前株式を譲渡するときも譲渡代金が高額になるなどして、資金調達が難しく実質的に譲渡ができないということも起こってきます。


また一つ目の議決権の行使という側面についても、次のような問題が起こりえます。
親の心情として子供達を平等に扱ってあげたいという思いから、株式についても実際に経営に携わっていない子供にも株式を平等に承継させてしまうというケースも多く見られます。


しかし、経営を行っていく場合、株式の議決権は非常に重要で、あまり分散されてしまいますと、万が一相続人どうしが揉めてしまいますと、取締役の選任や定款変更もできなくなり会社の経営に支障をきたすことにもなりかねません。
従いまして株式をどのように承継させていくか、事前に対策を立てることが非常に重要になります。
その場合、株式を種類株式に変更し、ある種類の株式は議決権があるが配当が少ない、ある種類株式は、議決権はないが配当が多い、といったように承継させる相続人に合わせて株式の種類を設計しておき、さらにそれぞれの株式の承継の仕方を遺言書に記載しておくということも有効な対策となるでしょう。


以上

創新事業承継プロジェクトチーム 司法書士 山中 康継

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